生活習慣病
生活習慣病には自覚症状の乏しいものが多いですが、放置すると脳卒中や心筋梗塞などの重大な病気のリスクが高まります。自覚症状を感じないからこそ、なぜ治療するのか、どうやって治療するのかについて十分に話し合って、患者さんに理解していただくことが重要です。
また、長く付き合っていく病気だからこそ、一人ひとりの患者さんの考え方や生活パターンに合った治療方針を一緒に考えていくことが大切です。
高血圧症
家庭血圧(自宅で測った血圧)で135/85mmHg以上、診察室血圧で140/90mmHg以上が続く状態です。高血圧が続くと、血管の壁が硬く厚くなり(動脈硬化)、負担がかかり続けるので心臓が疲れてしまいます(心不全)。
食事療法(塩分を1日6g未満)、運動療法(1日30分間の有酸素運動)、薬物療法が高血圧治療の基本となります。
糖尿病
インスリン(血糖を下げるホルモン)の分泌量不足、インスリンの効きにくい体質などにより、血糖値の高い状態が続く病気です。遺伝的な要因に加え、食べすぎ・運動不足・肥満などが影響して発症します。
高血糖を放置すると、網膜症(見えにくさや失明)、腎症(人工透析の最大の原因)、神経障害(しびれや感覚障害)や、動脈硬化(脳卒中や心筋梗塞の原因)を起こします。
食事療法や運動療法、薬物療法が治療の三本柱となります。日々の生活習慣が大きく影響するため、医師・看護師・薬剤師・管理栄養士などがチームとなって、治療方針の相談や生活習慣の指導を行い、患者さんをサポートしていきます。
高脂血症(脂質異常症)
LDLコレステロール(いわゆる悪玉コレステロール)や中性脂肪が高い状態です。これが続くと血管の内側が狭く硬くなり(動脈硬化)、脳卒中や心筋梗塞を引き起こします。
食事・運動・薬物療法が治療の基本ですが、これまでに脳梗塞や狭心症、心筋梗塞を起こしたことのある方は、再発予防のため特に厳格な治療が必要です。